実家の廊下や部屋の壁には自分の小さい頃の写真がいくつかは並んでいるものの、それ以外にはほとんど残ってないものだと思っていて、
去年とあるきっかけで実家の納戸を整理していると、結構な数のネガと写真が出てきた。
父が撮っていたもの。昔カメラが好きだったのはそういえばなんとなく知っていたけど、自分が大きくなってからはカメラを持たなくなっていたので。
これだけ撮っていながら、生きているうちに一言も口にせず、物置に眠らせていたというのがまた父らしい。
その写真からは、そこに写る人の表情だけでなく、ファインダー越しに被写体を見つめる父の姿が見えてしまう。言葉でなく、背中でもなく、自分がそうやって守られてきたことも。四半世紀を超えて、体温のあるサプライズになった。
それとは別だけど、父が若い時に同僚の結婚披露宴で女装している写真も出てきた。マジかよ。
ダブルサプライズ。