出遅れユースの日常レシピと隠し味2

音楽とスラムダンクとワイシャツと私。

THE FIRST SLAM DUNK

スラムダンク映画「THE FIRST SLAM DUNK」について。いろいろ書く気はなかったんだけど、さすがにこればかりは感想を結構訊かれるのでちょこっとだけ綴ります。


ネタバレ要素がもしかしたら含まれるかもなので、これから観る予定ある方はここで退出ください。

 

 

 

 


全体的には「すごく良かった」です。


予告編を見ていた限りだと、映像の雰囲気としては想像と大きな乖離はなかったですが、オープニングのメンバーが揃うところはさすがに震えました。たしか手書きアニメの部分。仮に「イケてる5人組ランキング」があれば、嵐を抜いて湘北が1位です。

 

■3DCGアニメ

昔の資生堂のCMのような、手書きアニメの雰囲気とは違うが、見応え十分。選手の動きのリアリティが凄い。自分がフロアの中にいるみたい。ネットの揺れとか異次元だった。


話がそれるけれど、リアリティで言えば部活のシーンで「しゃべれ!」と怒られるところとか。どのスポーツでもそうなのかもしれないけど、割とバスケあるある。


あと、桜木の動きが結構奇妙でヒヤヒヤする。本当に素人。ジャンプするシーンに関してはロッドマンの動きを再現してそう。


そういった節々に、なにか井上先生のバスケットボールに対する愛情を感じます。

 

 

■キャラクタボイス

総じて良かった。基本的にはTVアニメ時代とボイスキャストは変えた方が良い派でした。


予告編を観て多少はキャラクタの声に慣れていくつもりだったが、予告編には全然セリフがない(笑)。口元が映らないシーンや心の声は一瞬誰のセリフなのか追えないことがあった。

 

 

■その他音声、音楽

高総体の県予選とかだと、結構会場が割れるくらいの熱気と声がすごいが、強烈な特典シーンでもそこまでの沸きを感じなかった。いやでも全国大会だと地方大会ほどの熱はないだろうし、そんなもんなのかな。


音楽も非常に良かった。映画とかだと「自分だったらもっとこうするな」とか考えしまいがちですが、不思議とあまりそういう思考にならなかった。頭がそれどころじゃなかったのかも。

 

 

■原作と映画。タイトルの示すもの。

映画は原作からあらゆるディテールが削ぎ落とされ、キャラクタの人間ドラマの面では部分的に厚みを増してまとめていて、全体的には、

「あの日コート内で起きたことをそのまま描く」

という姿勢を感じました。

 

新しくスラムダンクが定義されるような内容で、原作やTVアニメの延長線上を求めた人はもれなく撃沈したと思います。個人的には「湘北の試合を観に行く」の姿勢が功を奏しました。

 

 

 

その中で疑問が2つ。

 


①タイトルをTHE FIRSTとした理由

②物語の軸を宮城に寄せた理由

 


井上先生本人が語っていることもあるのかもしれませんが、知らないのでここでは一旦無視(笑)。そして仮に次回作があるとしたら①も②も解決するように思うので、次回作がないものとして考えてみます。

(いやでも次回作があるとしたら、どのキャラクタでも分厚い人間ドラマは描けるが、試合を描くのはさすがに難しそう。。)

 

 

 

ディテールが削ぎ落とされた部分は、酷評の標的になりそうな印象。

「原作を知らないと楽しめない」

「原作のあのシーンがなくて残念」

など。

 


だけども自分は「原作ありきの映画」ではなく「映画ありきの原作」ともとれる、と思えました。

 

 

映画などで時折みられる手法で、

「一つのストーリーを、後から別視点で描くことで、回収しつつ物語に広がりを持たせる」的なモノはあるわけですが、


今回はこの映画を観た後に原作で確認できる場面が多くあり、

原作を知らない人は楽しめないのでは?という問いには「後から原作を読むことが回収になり得るかも」と。(自分は原作をすでに100万回くらい読んだのでよくわからないですが)

 


そういう意味では本作がFIRSTかもしれないです。

そして②はわかりません。笑

 

 


本作のようにスピード感のある表現に挑戦したスポーツアニメって最近あるんでしょうか?あまりないのだとすると、この映画が一つ時代を前に進める引き金となるのかもしれないですね。

 

ありがとう、スラムダンク