プロ棋士の羽生善治さんが永世七冠、そして国民栄誉賞の話となって、ニュースではたっぷり時間をとっているのに全然説明がやさしくないので、将棋を知らない人にその凄さがイマイチ伝わってない!
というのが見ていられないので、詳しくない人に私がご説明いたします。新聞のコラムを読むくらいのノリで暇つぶしにどうぞ。
①まずそもそもプロ棋士とは?めちゃくちゃ頭良さそうだけど、どれくらいすごいの?
知能集団と言えばまず浮かぶのが東大生。東大生は一学年におよそ3000人、毎年およそ3000人が東大生になるということです。ではプロ棋士はどうか?なんと年間に4人しかなれないという超狭き門です。門が狭すぎてどんなに細身な人でも両肩がぶつかるらしいです。これだけでプロ棋士の凄さがわかります。
元将棋連盟会長の米長さんは「兄は頭が悪いから(棋士にならずに)東大に行った」みたいなことを言ったという話があります。半分冗談だとは思いますが。笑
ちなみにプロ棋士は全体では150~160人程度。
②タイトルってなに?タイトルをとるのはどれくらいすごいの?
タイトルというのは将棋の大会みたいなもので、タイトルを獲る=その大会で優勝した、ということです。タイトルをとると次の年はチャンピオンとして、予選を勝ち抜いた挑戦者と戦います。このへんはボクシングみたいですね。タイトルは全部で7つ(実はごく最近8つになった)。
ではひとつタイトルをとるのがどれくらいすごいのか?将棋界では実力がある程度拮抗した人達での争いなので、勝率は5割付近の人が多く、めちゃくちゃ勝つ人で通算7割くらいです。
仮に勝率7割として128人のトーナメント戦で挑戦者を決めるとすると、7回勝ち進む必要があるので、70%の7乗で約8%。勝率が6割だと3%。そこからチャンピオンに挑戦するという気が遠くなるような道のりです。タイトルをとることがめちゃくちゃ狭き門すぎて肩がぶつかるため、たいがいのタイトル保持者は一度は肩が外れていると聞いたことがあります。
ちなみにタイトルによって、全棋士に獲得のチャンスがあるものから実績等がないといけないものまでいろいろです。
③タイトルの永世称号ってなに?
ひとつのタイトルを何度か獲得すると永世○○という称号が得られます。これは「この人はこの大会でいっぱい優勝しちゃったから、引退したあともその実績を称えられるようにしようよ」といって与えられるもので、簡単にいえば殿堂入り的なことです。つまり名人のタイトルをいっぱいとったら、引退後に永世名人が名乗れるということ。
永世称号の条件はタイトルによりけりですが、多いものだと10期保持しなきゃいけないものもあります。永世称号はとてつもなく狭き門なので肩がぶつかって、永世称号者は一度は肩を折っているともっぱらの噂です。
④羽生さんって何者?
プロ棋士になるのが難しく、タイトルをとるのがめちゃくちゃ難しく、永世称号をとるのがとてつもなく難しいという中で、7つあるタイトルの永世称号をぜーんぶとっちゃったのが羽生善治、ということです。
19歳ではじめてタイトルを手にして、20台半ばで7タイトルを同時に保持する七冠達成。それから20年以上たった今、情報ツールが発達し若手が牽引する変化に喰らいつき将棋界のトップクラスを維持し続けて永世七冠を達成。ここまでくると凄すぎて、凄いを通り越して、キモいと感じる人がいてもおかしくないというのが専門家の見解のようです。
そんな羽生さんへの質問、「無人島へひとつ持っていくなら?」
答えはチェスセットだそうです。笑
ちなみに羽生さんはなんとチェスでも日本トップクラスなのですが、あくまでチェスは娯楽として捉えているようですね。
以上、羽生さんについてでした。
ただいま空港でフライト待ち、これから長崎へ。遅延のお知らせアナウンスの口調がやたら明るいな。。